2021年1月閉館 原美術館「メルセデス・ベンツ・アート・スコープ」

  1. イベントレポート

■メルセデス・ベンツ・アート・スコープ 2018-2020

原美術館(2020年7月23日~9月6日)

東京・品川の閑静な住宅街。御殿山の小道を、そっと曲がると、原美術館がある。すでにニュースとなったように、原美術館は閉館が決まっている。

建物は1938年、渡辺仁の設計により竣工されたというから、確かに古い。閉館の理由の一つとして老朽化が挙げられている。しかし、いまだにモダンな雰囲気があり、時代が変わろうとも、どこかマッチする。というより、原美術館を中心に、周囲の住宅がマッチしていったと思わせるだけに、実に惜しい。

原美術館門

コロナ禍の影響により、当初予定されていた企画展「光―呼吸 時をすくう5人」が延期され、2020年9月19日から2021年1月11日に開かれることとなった。それに伴い、2020年12月末に閉館予定だったが、企画展会期終了に合わせ、2021年1月11日と変わった。

さて、上記の企画展が延期になり、代わりに開かれているのが「メルセデス・ベンツ・アート・スコープ 2018-2020」。1991年からスタートし、日独の現代美術家を相互に派遣・招聘するメルセデス・ベンツ日本の文化・芸術支援活動だ。

メルセデス・ベンツ・アート・スコープ

8月だというのに、新型コロナウイルスの猛威は衰えを知らない。当館への入館は、事前予約が必要だ。筆者が行ったのが土曜日ということもあったからか、結構、賑わいがあった。

今回、注目したいのは、《抗夢#1(彫刻のある部屋)》(小泉明郎)だ。展示室に入る前に、係の方からiPodとヘッドホンを渡される。それを装着し、何もない部屋と光が入り乱れる部屋へと入る。

「ココハビジュツカンデス」という無機質な音声が繰り返し流され、時が進むにつれ、その言葉はやや過激的になる。その後、音声が女性の囁き声へと変わり、言葉が紡がれていく。

どんな音声が流れていくのかは内容を控えたいが、あたかもホラー映画を見ているような、洗脳されているような、ゾッとした心地になる。14分程度の音声だが、時間はあっという間に過ぎてしまう。

原美術館というと、青々とした芝生が眼前に控える「カフェ ダール」がある。こちらのコースターは購入することが可能だ。閉館してしまうのだから、記念に買うのもよし!

原美術館「カフェ ダール」のコースター

なお、群馬県渋川市にある「ハラ ミュージアム アーク」は、名称を「原美術館ARC」に変更し、継続される。こちらは磯崎新氏の建築だ。伊香保温泉に近い立地で、現在、旅行気分とはいかないが、コロナが落ち着いたら足を延ばしてみたい。

東京都品川区北品川4-7-25
アクセス:JR「品川駅」高輪口より徒歩15分  ほか

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ArtLimb編集部の編集部員が自ら足を運んで、いろいろなアート情報を紹介しています。

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