ポンピドゥー・センター「クリストとジャンヌ=クロード パリ!」展

  1. イベントレポート

■クリストとジャンヌ=クロード パリ!

ポンピドゥー・センター(フランス・パリ)

フランスではロックダウン解除後、徐々に小規模な美術館から営業が再開され、7月6日にはルーブル美術館も再開された。ウィルス対策のため入場するにはチケット予約が必要となるほか、マスク着用が義務付けられている。また、夏の間にフランス各地で開催されるアートフェスティバルは多くが中止となった。

ポンピドゥー・センターでは3月に始まる予定だった「クリストとジャンヌ=クロード パリ!」展が7月1日から10月19日までの会期に変更された。

この展示は一枚の肖像画から始まる。ブルガリア出身のクリストがパリに到着した当初、生活費稼ぎとして肖像画を描く仕事をしていた。ジャンヌ=クロードの母親が美容室でそんなクリストの噂を聞きつけ、若いアーティストを援助する目的で自身の肖像画(写真上左)をクリストに注文した。そんな縁でクリストとジェンヌ=クロードが出会うことになる。

前半では1958年から1964年までの初期の作品と、後半では1975年から1985年にかけて計画、そして実現された《梱包されたポンヌフ》に関する展示がされている。

《梱包された小さな馬》1963
《梱包されたポンヌフ》に関するアーカイブ
実際にポンヌフで使用された布など

《梱包されたポンヌフ》に関する展示では、当時10年もの期間をかけて準備をした様子が細かく展示される。当時の映像ではクリストが声を荒らげて発言する様子や、思い通りに進まないことに憤る様子が記録されているが、クリストとジャンヌ=クロードの関係性が微笑ましく、二人の魅力に引き込まれる。

惜しくもクリストは、この展示の始まる直前の5月に亡くなった。パリの凱旋門を梱包するという大プロジェクトも合わせて行われるはずだったが、新型コロナウィルスの影響で来年に持ち越された。この凱旋門を梱包するというプロジェクトは1960年代から着想されていたプロジェクトであるが、60年もの時を経た現在、これが実現されるのを来年まで楽しみに待とう。

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MK

フランス在住アーティスト。

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