希望の光を描く色彩 シャガール展

  1. イベントレポート

■希望の光を描く色彩 シャガール展

翠波画廊(2020年8月11日~8月22日)

東京・京橋は一本小さい通りに入ると、多くの画廊が立ち並んでいる。2020年1月に、リニューアルオープンしたアーティゾン美術館も近く、アートを楽しめる街だ。現在、京橋駅にほど近い、翠波(すいは)画廊にて「シャガール展」が開催されている。

世界的な知名度を誇る、20世紀の巨匠マルク・シャガールの本企画展は、シャガールの描いた「希望の光を与える色彩」に焦点を当てている。今の不安な世の中に、生きるよろこびや未来への希望を与えてくれるシャガールの展覧会を開催するに至ったという。

シャガールの作品が一堂に並ぶ様は、やはり圧巻である。巨匠と語るにふさわしい画家だということを再認識させられる。色彩の魔術師の豊かな世界に引き込まれると、日々の不安や喧騒をしばしの間忘れた。

シャガールは、意識的に夢を見る人だった、と言えるでしょう。彼の作品を見た人に夢のような印象を与えるには、現実的な苦労があった。道化師が観客に笑われるために、その裏ではたいへんな努力をするのと同じことです。

(出展:「芸術新潮」シャガールの孫で、シャガールの著作権を管理するシャガール委員会の副会長も務めるメレット・メイヤーさんの言葉)。

なかでも、今回注目したのは貴重な肉筆の作品《羊飼いの喜び》。1972年にモナコの出版社によって発行された画集『シャガールの陶器と彫刻』の扉に描かれたドローイングだ。

シャガールの25年来の友人である夫婦に向け、友情を込めて描かれ、その夫婦によってコレクションとして長年大切にされていた作品だという。背景を知って作品を観ると、シャガールの友情に包まれた作品の軌跡に思いが巡った。

閉塞感が続く毎日に、一筋の光が差し込まれるかのようなシャガールの作品。鮮やかなその世界に浸ってみてはいかがだろうか。

東京都中央区京橋3-6-12 正栄ビル1F
アクセス:東京メトロ「京橋駅」2番出口より徒歩2分 ほか

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ArtLimb編集部の編集部員が自ら足を運んで、いろいろなアート情報を紹介しています。

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