ストリートアーティストというと、バスキア。アートファンに限らず、一般的にもその名は知られている。現在、ある意味、バスキアと同じくらいの知名度を獲得しているのがバンクシーだ。テレビ、新聞、ネット、様々なメディアを賑わせている。
バンクシーが賑わせているのは、何もストリートやメディアだけではない。マーケットも同様だ。バンクシーの代表作《英国の地方議会》、参加者が皆チンパンジーという風刺のきいた作品は、2019年10月3日、英国サザビーズにて約13億円で落札されたのは記憶に新しい。
現在、日本でも横浜(会場:アソビル。2020年9月27日まで)で「バンクシー展 天才か反逆者か」が開催中で、以後、会場を大阪(会場:大阪南港ATC Gallery〈ITM棟2F〉。2020年10月9日~2021年1月17日)に移す予定だ。
もちろんバンクシーは健在で、今後ますます活躍すると思われる。しかし、アートマーケットは虎視眈々と次なるバンクシー、「ネクスト・バンクシー」に注目している。
メディアによっては、次の2人のストリートアーティストを挙げているものがある。まず、フランス人アーティストの「インベーダー」。オールドゲームの「スペース・インベーダー」のキャラクターをパリのストリートに貼り付けている。
次に、イギリス人アーティストの「スティック」。シンプルな線や丸、ドットなどで構成されたキャラクターをモチーフとしている。
しかし、この2人はもう知る人ぞ知るストリートアーティストで、作品の値段も高くなっている。
そこで、何回かに分けて取り上げるのが、フランス人アーティストの「JR」。彼は写真を用いるストリートアーティストだ。
少し古い情報にはなるが、2012年、30歳以下の写真家を対象としたオークション取引額ランキングでは堂々の2位となった。2020年8月現在、彼は37歳。世界的な評価を獲得したフランス人アーティストの中では、断トツの若手ともいえる。
では、次回はJRの活動などを追っていこう。